外壁塗装において、塗料が持つ防水性と伸縮性は、建物の寿命と維持費を左右する非常に重要な要素です。特に日本の住宅は、四季による気温変化や湿度の高低、台風や豪雨といった自然条件にさらされる機会が多く、外壁に求められる機能性は年々高まっています。こうした背景の中で、ピュアアクリル塗料が注目されている理由の一つが、塗膜の持つ高い防水性能と圧倒的な伸縮性にあります。
一般的な塗料では、温度変化に伴う外壁の膨張や収縮に追従できず、塗膜がひび割れたり、剥がれたりするケースがあります。特にモルタル外壁やサイディングのつなぎ目などでは、ひび割れが生じやすく、そこから雨水が侵入することで建物内部が劣化しやすくなります。こうした現象を未然に防ぐために必要なのが、柔軟性の高い塗膜を形成できる塗料であり、ピュアアクリル塗料はまさにその条件を満たしているのです。
ピュアアクリル塗料は、純度の高いアクリル樹脂を100パーセント使用しており、その高分子構造により塗膜が最大で600パーセント以上も伸縮する性能を持っています。これは業界でもトップクラスの弾性値であり、外壁に微細な動きがあっても、塗膜自体が柔軟に伸び縮みして外壁の動きに追従することで、ひび割れを防ぎます。また、建物が地震や強風などで軽微に揺れるような環境下でも、この高弾性によって塗膜が割れず、雨水の侵入リスクを大幅に低減できるのが大きな強みです。
加えて、防水性においても非常に優れており、塗膜の密度が高いため、雨水はもちろん湿気の侵入も抑えることができます。この防水性が高まることで、断熱材や木材などの内部構造への浸水リスクが減り、結果として建物全体の寿命を延ばすことにも繋がります。特にベランダやバルコニー、接合部、ひさしなどの水がたまりやすい箇所においては、この高い防水性が効果を発揮します。
実際の施工事例として、築15年を超えたモルタル住宅においてピュアアクリル塗料を使用したところ、施工後10年経っても目立ったひび割れや塗膜の浮きが見られなかったという結果が報告されています。また、雨が多い地域や海に近いエリアなど、塩害や湿気による被害が出やすい環境でも、塗膜の剥離や劣化が少ないことが実証されています。
以下に、防水性・伸縮性に関する性能を、代表的な塗料と比較した表を示します。
塗料の種類
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伸縮性能(弾性)
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防水性能
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ひび割れ追従性
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一般的アクリル塗料
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約100〜150パーセント
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低〜中程度
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低い
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ウレタン塗料
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約200〜300パーセント
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中程度
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中程度
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ピュアアクリル塗料
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約600パーセント以上
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非常に高い
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非常に高い
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このように比較すると、ピュアアクリル塗料は圧倒的な防水性と柔軟性を兼ね備えており、建物の経年変化や自然環境の影響を受けやすい日本の住宅には非常に適した塗料だといえます。
もちろん、全ての住宅や環境において万能というわけではありません。例えば施工技術や下地処理が不十分である場合、どんなに高性能な塗料を使っても効果が半減することがあります。そのため、ピュアアクリル塗料の性能を最大限に引き出すためには、施工経験が豊富で信頼性のある業者に依頼することが欠かせません。
ピュアアクリル塗料は、外壁のひび割れや雨漏りといった見えないトラブルを予防し、安心して長く住み続けられる住環境を提供する、優れた選択肢の一つです。